「ていうか、あんたダーツの握り方も知らねぇとかじゃねぇよな?……って、聞いてんのか?」 真弥さんが眉間にシワを寄せた顔で、私に目線を落とす。 私は慌てた。 「――き、聞いてる!」 見とれてたなんて、絶対に言えるわけない。 いや、違う。 ただ見てただけだし! 「じゃあ、やってみろよ。こう」 「へ?こ、こう?」 私は肩からブンと腕全体を振り下ろす。 「………やっぱ、話聞かねぇな」 「え、ち、違った!?」 何て言ってたっけ…? て言うか、一回聞いただけじゃわかんないし。