はぁ、とため息をついて、真弥さんが口を開く。
「あんたに何もないのはわかったから。ほら、早く構えろ」
くぅ~っ!ほんっとイラつく!
と思いつつも、つい言う通りにしてしまう。
だって…おかしい格好で投げるのは嫌だし!
「まぁ、そのスタンスなら、そんな構え方になるよな。あんた、右利きだろ?前に出すのは右足」
「へ?右?うやっ!?」
前触れもなく、両二の腕を掴まれて、身体全体の向きを変えられた。
私の右横にいたはずの真弥さんは、私を後ろから包むような位置に来ている。
正確に言うと…私の身体の向きが変わっただけだけど。
ていうか…変な方向向いてる感じがして違和感。

