「あー。女ってホントうるせぇ…」 「―――!」 さっきこいつにドキドキした気持ちを削除してしまいたい。 何でこんなやつにドキドキしちゃったんだろう。 女を絶対にバカにしてる…! 「なにー?今叫んでなかった?」 「!」 急に聞こえてきた声に、私は振り向く。 和希さんがカウンターの奥からひょっこり顔を出していた。 「いや!何でもないです!」 私は慌てて笑顔を作り、手を左右に振って、和希さんに答えた。 「そう?ならいいけど」 そう言って、和希さんはまた奥に行ってしまう。