そっと、足を踏み入れる。 …やっぱり、私だけ。 他にお客さんはいない。 何も変わっていない2ヶ月ぶりの空間に、泣きそうになる。 また来れるなんて思わなかったから。 ゆっくりと一歩ずつ歩みを進める。 …静かだな…。 そう思った時だった。 ――――トンッ 「――――!」 2ヶ月ぶりに聞く音。 私は思わず、口元を押さえた。