いつもと違う雰囲気だと思うのは、何で? 今は一応私が『生徒』だから? 怪我されたら困るって? だから…私を見る目と掴む手が優しいの? …何でもいい。 「…ごめん、なさい…ありがとう…」 素直になろうと思った。 その途端、鼻がツンとした。 私は咄嗟に顔を下げる。 涙が出てくる。 溢さないように、必死に堪える。 「……おい」 「え?」 私が顔を上げると、私の目をじっと見てくる真弥さん。