「――な、何でもない…です」 やけどしたなんてバレたら、また嫌味言われる。 私は手をそっと背中の後ろに回す。 視線を感じる。 早くどっか行ってよ。 心臓の鼓動に合わせて、手の痛さがジンジンと鈍く響く。 「―――っ!」 さっきよりも痛みが強くなって、私は顔を歪めてしまった。 「さち~やっぱり冷やしなって」 友達の言葉にビクッと身体を震わせてしまう。 「!」 心配してくれてるのはすごくありがたいけど…! 今は、困る!