私は集中できないまま、実験をしていた。 えっと…次は… 「あの先生、ほんっとカッコいいよねぇ~!彼女とかいるのかなー」 「……」 …友達も、周りの女子も、実験どころじゃないらしい。 きっと、私だけが違う理由だけど。 目を合わさないように必死だった。 私は火にかけていた器具を冷やすために台の上に下ろす。 そして、その向こうにある器具を取ろうとした時だった。 「――あっつ!」 ほんの少しだったけど、まだ熱い器具に手が触れてしまう。 その声に、友達が気付く。