ぐっ…
もう!いちいち何なの!?
ホント、ムッカつくんだけど…!
イライラとした気持ちが沸き上がってくる。
…いや、ダメダメ、落ち着け私…。
こんなやつ無視しちゃえばいいんだよ。
私は和希さんに会いに来たんだから。
深呼吸。
にっこりと笑顔を浮かべて、和希さんのことだけを視界に入れる。
「…幸って言います。幸せって書いて、さち」
「幸ちゃん?へぇ!かわいい名前だね。さっちゃん、か」
「は、はい!」
和希さんに名前呼んでもらえるなんて…嬉しい!
しかも、愛称ってやつ!
「じゃあ、さっちゃん、ゆっくりしてってね」
「はいっ」
ひらひらと手を振りながら、和希さんは笑顔でカウンターの奥に消えていった。
私はその姿を目で追った。
やっぱ…和希さんってステキ。
明るくて優しくて。
好きだなぁ…。

