「ありがとうございます。もう、戻らないので…」 そう言って、私は和希さんの手からバッグを受け取る。 「そっか。うん」 和希さんの手が私の頭の上に乗った。 ゆっくりと撫でてくれる。 「……和希さんは優しいですね」 「さっちゃん…あのね、」 「私、和希さんを…」 好きでいれれば良かったのに…。 そう言おうと思ったけど、声にならなかった。 その時、私の身体が揺れた。 「――え?」 私は和希さんの腕の中にいた。 抱き締められてる。 いー匂い… ホッとする…。