「さっちゃん!」


「!」


聞こえてきた声は、和希さんのものだった。


私は顔を上げる。


「さっちゃん!大丈夫?」


「和希さん?何で…」


私は立ち上がった。


もしかして、追いかけてきてくれたのかな…?


「いや…ほら急にさっちゃん出ていったからさ。心配になってさ。あ、一応荷物も持ってきたよ?それとも、戻る?」


優しい笑顔を私に向けてくれる。


こんなに優しい人なのに…


何で…ドキドキしなくなったのかな…。