『…私が好きなのは…和希さん、です。』
そう思ったのに、絶対そうであるはずなのに、心の中にモヤッとした気持ちが残る。
…真弥さんのことが頭に思い浮かんでしまったから。
…まただ、この変な気持ち。
ちょっとだけ、胸が苦しくなるような気持ち。
和希さんのことを考えてるのに、上書きするように真弥さんのことが浮かんできて。
消しても消しても、真弥さんが頭に浮かんでくる。
好きな人のこと以上に考えてしまう人がいる、なんて。
それは何を意味する?
――好きな人よりも、もっと………好き?
―――!
やだ…違う!
違うから…!
私が好きなのは、和希さんだもん!
ずっと、近づきたかったんだから。
…真弥さんのことが好きであるはず、ない。

