「また来てくれたんだね。ありがとう」
「いえっ!」
いや~和希さんの笑顔、独り占め~!
ウハウハして幸せな気持ちになっていた。
…のに。
「……うるっせ。キャンキャン吠えんなよ」
「!」
そこに、機嫌の悪そうな声が聞こえてきた。
声の方を見ると、その人は顔をしかめて、手で耳を押さえてる。
私のこと…言ってるんだよね?
「―――…」
私は眉をひそめて、その人の顔を見上げる。
何、こいつ。
いちいち口に出さなくても良くない?
キャーキャー言ってるわけでもないし!
私の視線に気付いたのか、その人も私のことを見下ろしてくる。
バチバチと聞こえそうなくらいの睨み合いになった。

