「おい、いいのかよ?篠宮先輩と2人で話せる機会なんてそうそうないんだぞ?」

気になるだなんて言った割にあっさり去った俺に蓮が聞いてきた。

ま、そりゃそうだよな。

「いいんだよ。これも作戦って感じかな?」

ちょっと意味深な感じで返してみると蓮はかなり驚いていた。

「なんだよ作戦って…」

「簡単に言えば先輩のこと気に入ったってこと。」

最初は有名人が気になったってだけだったんだけど。

蓮との会話の感じからして性格もよさそうだし。

というか俺のタイプだった。

ああいうクールな人好きだし。

そしてそういう人の違う顔を見てみたいとも思う。

あれ?俺かなり惚れてる…?

今までこんなに気になった人なんていなかったし。

「おい、無視すんなよ海里。」

どうやら俺がいろいろ考えている間に蓮が何か言ったらしい。

俺は、「ごめん。」と謝って一緒にサッカー部に向かった。