【完】俺色の君

「哲、蘭。カレー出来たよ~。」

エプロン姿の純一が廊下に向かって叫んだ。


蘭。帰ってきたのか…。

私はそれにも気づいてなかった。

必要以上にリビングに蘭はいないから。

「いい臭いだね!2人で作ったんだ。」
哲が一番に入ってきた。

「いただきます。」
蘭も入ってきて食べ始めた。

蘭の口に運ぶカレーライスを見ていたら目が合った。

「…んだよ。」

「何でもない。」

私は返答一言が冷たすぎる。

もっと可愛く言えたら良かったな。

蘭を好きになると同時に自分を嫌いになる。