【完】俺色の君

「夢?ぼーっとしてどうした?」

「何でもないよ、純一、鍋に玉ねぎ入れて。」

今日の夕食はカレー。料理の得意な純一が手伝ってくれる。
「何かあったら俺に言えよ。力になるからな。」

優しく微笑む純一にも今は安心ができなかった。

でも、迷惑かけちゃ駄目だから…

「ありがと…あ!夕飯終わったらトランプやらない?」

私は気を紛らわすように言った。

「トランプ?いきなりだね。この家にあるの?」
「あるよ、皆でやろう。…蘭は一緒にやってくれないかもだけど。」

純一は知ってか知らずかその言葉には何も返さなかった。

蘭は今家にいるのかも分からない。

帰ってきたのかな。
それとも学校で生徒会長のお仕事かな…。