【完】俺色の君




「夢...?どうした?」


「なんでも、ないよ。」





私は資料で切ったらしい指をさっと隠した。



ずきずきするけど...。



「見せてみろ。」


「あっ!」



強引に蘭の目の前に出された私の指。



線が入っていて血がにじんでいた。



「...。切れてるじゃねえか。どこがなんでもないだよ...。」



蘭はふうっとため息をついた。



蘭の馬鹿...。



なんで、こういうときに優しいの...。