【完】俺色の君




「お母さんはもう長くはないの。だから、あの園長先生と一緒に養護園に行ってちょうだい。」



え...?


何言ってるのお母さん?


「イヤだよ。お母さん、しんじゃだめだよ?ね?」



俺は涙があふれて鼻の奥がつんとした。



でも、お母さんは首を横にゆっくり振った。


「ごめんね。お母さん、もうしんじゃうんだって。」


「いや!!いや、!やーだ!!」



駄々をこねる俺。



「哲!!」



お母さんの大きな声にぴたりと涙が止まった。



「男の子でしょ?もう泣いちゃだめ!お母さんの言うこと聞いてよ。」


「...お母さん。」



俺の頭を優しく撫でた。