【完】俺色の君



「夢、美味しいね。」


「…………。」



純一は空気を暗くしないようにしきりにしゃべりかけてくれる。



シチューを口に運んだ。



蘭が作ってくれたのとは少し違った味。


「そうだね。………哲。」



私はまた涙を零した。



「…!?純一?」



私は暖かい体温に包まれる。



「夢、哲はきっと大丈夫。今は目を覚ましていないだけだから…。」



純一は私をなだめるように抱き寄せて軽く頭をポンポンと撫でた。