「…!純一!?」 信号が青に変わったとき俺は夢を抱きかかえていた。 「辛いだろ?連れて行くよ?」 世で言う『姫抱っこ』 「重いし、いいよ?」 いや…全然だけど。 むしろ軽い。 さすが、女優の娘。 「いいから。早く蘭に会いたいんだろ?」 俺は何がしたいのか… コクリと頷いた夢。 哲はただ不安の色を浮かべている。 蘭が危険だと思ったのは今から10分程前のこと…