【完】俺色の君




「幸いに焦げて痛んだのは毛先の方だけか…」


「純一すごいね。なんでもできるんだ。」



夢は大人しく俺に切られている。



シャキシャキ――――



広げた新聞の上に夢の栗色の髪がハラハラ落ちる。



綺麗だな…


ずっと触っていたい。


俺は気がついたらそっと夢の髪にキスしていたんだ。



「純一!?」



夢は急に手の止まった俺に声を出したが気付いていないみたいだ。



良かった…


気づかれなくていいんだ。


密かに思っているから…。