【完】俺色の君




しばらく走ったところだ。


嘘!


「行き止まり!」


私たちの前に大きな併が立ちはだかった。


死ぬ…。


近くにカメラマンさんがいたら確実にニュースになっただろう。


その間にも火の手が迫ってきた。


「哲…。意味分かんない。何で?」


私、こんな非科学的に死にたくない。



でも…哲ももう何にも出来ないらしくヘタヘタと座り込んだ。



あと、30センチ


20センチ。


やばい。


本当に…


私は無意識に心の中で蘭を呼んでいた。

来るわけないのにね…。