【完】俺色の君



夢side


「走ろう!」



哲は私の手を握って走った。


意味が分かんない。

何で、道の前から火が!?


私は何か夢でも見ているんじゃないでしょうか。


有り得ない。


「夢!」


私は転んでしまった。




―ジュッ


火は私の髪の毛を焦がした。


本物だ。


髪の毛が焦げて変な臭いがする。


お母さん譲りの栗色の髪が焦げている。

「…夢!」

「また、走るの!?」


哲はまた走った。

端からみたら変人。