「会ったって、未宇にか?」


純一が読書を止めて私たちの方に歩いてきた。


「うん。」


「ヤバいな…。」


純一が顎に手を当ててうなった。


何で…?


「夢、未宇に何か言われなかった?」


何か…。


あ…


「調子にのんな。ブス。って言われた。」


私がそういうと一気に凍った空気。


「哲…。」

「純一、大丈夫。蘭は守ってくれるよ…。」


どういうこと?

二人の言っている意味が分からない。


私がこの意味を知るのはもう少し後のこと。