【完】俺色の君



夢side

蘭に彼女…。


「夢!どうした?」

哲は私の顔を覗き込んだ。


聞いてみようかな…。

蘭は自分の部屋にいるから聞かれないし…。


「ね…。未宇って子知ってる?」



私の質問に哲は驚いて、机で読者していた純一までも眼鏡をかけ直した。



私、やばいこと聞いちゃった?


「知ってるよ…。」


哲はゆっくりと頷いた。


「未宇は…蘭の彼女。」

「知ってる。さっき会った。」


私の脳裏には未宇の長い黒髪が浮かんだ。