「は…。疲れた。」 「だな…。」 私たちは気付いたら海に出ていた。 綺麗な薄いブルー。 「ごめん。せっかくのデートなのにな…。」 蘭は珍しく謝った。 「いいよ。ていうか、未宇って誰?」 聞きたかったことを口にしたときだった。 「蘭ー!いきなり走るなんて酷い!」 そこに現れたのは私とは比べ物にならないほどの美人。 私の直感ではこの子は未宇だろう。 電話越しに聞こえた声だった。