【完】俺色の君

そっと目を開けてみた。


少し傷ついた顔の哲とメガネを押し上げる純一。


無表情の蘭…。


蘭はやっぱり嫌だったのかな…。

そうだよね…。


「蘭、嫌なら俺に…。」


哲がいつもの調子で言おうとした時だった。


「嫌じゃない。夢は俺を選んだ。」


蘭ははっきりこう言った。

嫌じゃない…?

心が少し軽くなった。

「ずるい!蘭だけデート…!」

「哲、諦めろ。」

純一がこう言うと哲はほっぺを膨らました。

可愛い…。

でも、この時めきは蘭を思うものとは違う。
甘酸っぱいオレンジみたいな感じ。