月夜の訪問者

「一人で大丈夫だから」

と、和泉を部屋に返して一人になる。

今日は、勉強教えてくれる人が居ない。

自習しょう

私は、机に座り本を開く。

少し眠たくも有ったが、また怖い夢を見そうで眠りたくなかった。


本当に、後2日しか一緒に居れないのに

何処へ行っちゃたの?









そして、夜になっても雅は帰って来なかった。
夕食もお風呂も済ませた私は、もう寝るだけなのだが

こんな時間まで帰って来ないなんて非常識じゃないかしら
食事の時だって、お父様とちょと気まずかったんだからね!

私はイライラしつつ、窓の外を眺めた。

外には、街灯がポツンと1つ有るだけだが、今夜は月が綺麗に出ているので結構見通せる。

まだ帰って来ないのね…

ハァー

なぜか溜め息が出てしまう。

誰と居るんだろう…
女?

ふっと、空を見上げれば雲1つない
月が綺麗に見える。

今日は三日月ね

何と無く、弓形の月に笑われている気がして目を離す。

もう寝よう

カーテンを閉めようと思った、その時

あっ

門をくぐる人影

雅だ。

帰って来たのね。