「仕方ないやつだ」

雅は、やれやれと、一番下のボタンを1つ止める。

「こっちの切れ目に通すだけだ」

なるほど、そうやって止めるのね

私も、下から二番目のボタンを手に掴み、止めよと思うのだが、なかなか上手く行かない。

雅の裸を直視出来ないし

「ほら、良く見ないと止められぞ」

と、耳元で囁かれる
解ってるわよ
でも見れないの

ぎこちない手は、軽く雅の皮膚を引っ掻いてしまった。

「あっごめん」

慌てて雅を見る

「ああ、大丈夫だ」

と、雅
どうしょう、ドキドキして上手く手を動かせない

「奇麗な髪だな」

サラッと、突然触られる私の髪

「そうかしら?今日はまだ、お風呂入って無いのよ」

汚いでしょ?
諦めて私を、お風呂へ行かせてくれないかしら

「そうか、でもいい匂いだ」

と、雅

「それはアンタの匂いでしょ?」

風呂上がりは雅の方じゃない

「お前には困ったものだ
松本の奥様には感謝しなきゃならんな」

クスクスと笑う雅
何が可笑しいのかしら
変な人

「あっ止まったわ!」

やっと1つ止める事に成功し、思わず拳を握る私