「俺俺って、俺を強調しすぎなのよ
ってか、私はアンタの物じゃないってば」

外に連れ出してくれたり、服を用意してくれたり
ちょとは良い人かもって思った私が馬鹿だったわ

だって、よく考えればこの人が勝手にした事じゃない

無理矢理私を邸から連れ出して、勝手に私にドレスなんて着せたのよ
御礼を言う義理なんてないわ

「本当に頑固な御姫様だ」

呟く雅

「え?」

振り向く
と、同時に馬車が止まった。

「着いたな、降りるぞ」

直ぐ様私の手を引く雅
本当に何をするにも強引なんだから。


降りてみれば、目の前には洋風のお屋敷が
何処かのお城ですか?と言いたい
あまりに綺麗なものだから見とれてしまう。

「何してる?早く歩け」

と、雅に手を引っ張られる

「でも、奥様達に会ったらなんてっ」

あわてて雅を引き止める
世間体では私は最悪な存在
奥様に見つかったら家に帰って何されるか、考えただけでもゾッとする

「大丈夫だって言ってるだろ!」

と、雅
何を根拠に言ってるのか解らない
確かに化粧をしてるし、いつもの私よりは、まともな顔かもしれないけど