よく晴れ渡った空を見上げて、私は洗濯物を干すことにした。

ぽかぽかと小春日和、これなら洗濯も乾くだろう

もうすぐ春だなぁ
なんて思っていると

「あらあらお嬢様とは思えないわね」

クスクスと遠くから笑声がし、そちらに目を向ければ母家から姉さんの姿

私は、母親が誰なのか解らない
この邸の女中と旦那様の子だと言われてる

私は、物心ついた頃からこの離れに隔離され、邸の外には出して貰えず
外と言えばこの中庭しか知らない。

母の顔も、父の顔も知らない、父はこの邸の主であるが、私が物心ついた頃には既に居なかった。

二人とも他界してると聞いた、経緯は知らないが病気だったらしい。

そして、私は此処の女中扱いとされていた。

「卑しい女中の子だものねぇお似合いだわ」

と、姉さんに並んで奥様の姿、そして並んで邸の奥へと入って行った。

気にしない

私は無心に洗濯物を干した。





その夜

ドヤドヤ

「今日は何だか騒がしいわね」

母家の方が騒がしい

「ああ美雪お嬢様の婿選びですって。」

と忙しそうな女中