永遠の約束(深青編-序章-)



「深青ばかり、責めないでよ。本当のところは深青が悪いわけじゃないんだから」


深青のつらい気持ちを汲み取ったのか優奈がフォローに入る。


「優奈、ありがと。大丈夫」


深青は優奈の腕を掴んで押さえる。


そして、大也とみゆきのほうを見た。


「確かに、私は恵まれていたほうだと思う。何もわからずに周りにわかってくれる人もいない中では心の支えさえもなく、とても悩んだと思う。だけど………、そのために私は父を失った」


「深青! そんなことまで言わなくても!」


優奈が深青の手をぎゅっと握る。


「本当のことを話さなくちゃ、フェアじゃないでしょ。隠すことでもないし………。それに、正木くんたちは信じるに値するでしょ?」


このことが何を指しているのか優奈にはわかるだろう。


今まで疑っていた人物を信じられるということを確認した言葉だと………。


何も否定しない。


それが優奈の肯定だと深青は判断した。


「私の父は私が10歳の時に亡くなったの。表向きは心臓発作で病死。だけど、本当のところは悪霊達から私を守るために………。小さい頃から退魔法は教えられていたけど、その日はなぜか私たちの力では抑えきれない大量で強い悪霊が襲ってきて………、父は………私たち家族を守るために命を削って………能力を出して………。そのおかげで私たちは助かったけど父は………結局、私たちの目の前で力尽きたわ」


思いもよらない深青の言葉に大也たちは思わず息を呑む。


どう反応すればよいのか困っているようだ。


そんな戸惑っている空気が伝わってきたが深青は話を続ける。