「大丈夫だった? 怪我とかしてない?」


深青は息を切らしながら自分のところへ来た大也に笑顔を向ける。


このあとに来る言葉はだいたいの想像はつく。


だけど、知らぬ顔もできなかったのだ。


仕方ない。


「深青!」


門のところにいた優奈は状況が収まったことを感じ深青によってきた。


「夏川………」


「正木。大丈夫?」


深青だけではなく、優奈もいることに大也は驚きながらもなんともいえない表情をする。


「お前たち………、さっきのは一体………。それに、俺が見た女はやっぱり如月、お前だったんだな」


深青は複雑な表情を浮かべながらもこくりと頷く。


大也の大きなため息を聞き、優奈が反論しようとしたのだが………。


「あれ? みんな、こんなところでどうしたの? おそろいで」


素っ頓狂な声で隣の2階の窓からみゆきが手を振りながら呼ぶ。


そして、すぐに窓を閉め消えたかと思うと玄関から姿を現した。


「急に変な音がしたから何かと思って窓開けたら2人がいるんだもん。本当にびっくりした。ところで本当どうしたの?」


神妙な顔で黙り込む深青たち3人を交合に見ながらみゆきは首を傾げる。


そこには、重苦しい空気が流れていて、みゆきだけがなぜか蚊帳の外のような気がした。