「大丈夫。別に攻撃とか襲ってくることはないから。まあ、言ってみれば儀式の残りカスってとこかな?」
「でも、火の玉って火っていうぐらいだから赤くないの?」
「霊魂を司る火の玉は蒼(あお)だよ。現実世界に現れる火は赤いけど、人に見えない架空の世界の火は蒼なの。だから、この火が蒼ってことは儀式が行われてそれが無事成功したってことになる」
「ちょっと、待って。私にはよくわからないけど………。どうして、成功すると蒼い色になるわけ?」
優奈の頭はフル回転で理解しようと務めるが全く追いつかない。
「儀式を行ったときに使った火はここにある火だからもちろん赤い炎。でも、その儀式を終えて消しても呪いは残る。その呪いは架空の世界で火として残る。でも架空の世界だから炎の色は蒼い色をしてる。人に見えないようにね。それが残っているということ、それが成功した証拠になるの」
「ごめん、やっぱりわかんない。とにかく、簡単に言えば呪法をしたから爆発が起こったってことね」
現実的な優奈のまとめに深青はコクリと頷く。
「まあ、そういうことになるかな。でもそうなると、この呪法をした人物は並大抵の力じゃない。それに、誰を呪ったのか………」
深青は普通に話すが優奈は深青が呪うと言う言葉を出すにつれ寒気を感じる。
「並大抵の力じゃないって。正木のこともそう言ってたよね」
「うん」
「じゃあ、これを行ったのって正木? まさか、あいつがそんなこと………」


