(そんなことは自分が1番わかっている)
優奈は深青の肩に置いた手に力を入れる。
それでも行かなくてはいけないのだ。
なんの役にもたたなくても。
もし、深青に何かあったら。
そのことを考えると優奈の背筋に悪寒が走る。
「なんて言われようと絶対に行く。行くったら行くの!」
優奈の決意は固いようだ。
深青は深いため息をつく。
「………わかった。だけど、危険なことには変わりないんだから私から離れないでね。絶対だよ」
深青は優奈の小指に自分の小指を絡ませる。
「約束。約束破ったら針千本だからね」
深青の幼い姿に笑い出す。
優奈の姿に深青はムッと顔を膨らませる。
こういった姿は学校では絶対に見せない。
一応、本人はクールな大人しいタイプを通そうとしてるみたいだ。
仲のいい優奈の前でだけ………。
「もう、笑い事じゃないの! 本当に危ないんだから。わかってる?」
「わかってる。これでも、あんたとは付き合いながいんだから。危険な目にも幾度となく遭ってるし、変なことも身近で起きたこともある。ちゃんと、わかってるよ」
心配する深青に念を押す優奈。
「じゃあ、行くと決まったからにはどこから進入するとか細かいことを決めますか。校門とか閉まってるだろうしね」
優奈はパンと手をたたき、机から紙とペンを持ってくる。
いよいよ、作戦会議だ――――。


