勢いよく言ったのはいいが、その相手を思い出し優奈は驚きの表情をする。
「だから、私もわからないのよ。あの時、私が押さなければ正木くんとみゆきちゃんに確実に当たってた。狙われたのは2人のどちらかよ。でも、化学室の爆発が関係しているのであれば2人には全くの接点がない。だって、あの時2人は化学室にはいなかったのだから。それにそれほど化学室と深い関係があるとは思えない。たかだか授業に使う程度だわ。でも、今は授業で実験室での授業は組まれていない。全く使うことも近寄ることすらないのよ」
「え~? もう何がなんだか」
深青の説明に優奈は頭がこんがらがる思いだ。
「とにかく、どうして呪われるのか理由も何もわからないし、私、今日の晩学校に忍びこんで調べてみる。呪った跡とか残ってるかもしれないから」
「え? ちょっと待って。まさか、1人で行く気?」
「そりゃそうだよ」
「待って、私も行く」
優奈は深青の肩に手を置き、覚悟を決める。
「でも、危ないよ。呪法が行われたぐらいだから悪霊とかよってきてると思うし………」
「それこそ、一緒に行くよ。深青1人でなんて行かせられない」
「心配してくれるのはうれしいけど、優奈は退魔法とかできないし、霊感もないから………」
言いにくそうに深青は言葉を濁す。