爆発のことを言われるものだと思っていたのに、植木鉢のことを出されるとは優奈は全く思っていなかった。


「あの植木鉢どこから落ちてきた?」


それでも深青の話は続く。


「どこって………、校舎でしょ?」


「そう。だけど、落下した場所から推測した場所に植木鉢が置いてあるようなところはなかったし、第一、窓自体が開いていなかったわ」


「じゃあ、屋上」


「それも、無理。よく考えてよ。屋上は毎日危険だからって鍵がかけられててその鍵は職員室で管理されてるんだよ。それに、屋上に植木鉢は置かないでしょ、普通。落ちたら危ないのはわかりきったことなんだから」


「そりゃ、そうか」


優奈は顎に手を添え、考える。


「それって、誰かが人為的にしたってこと?」


深青は優奈の目を見て頷く。


「一体誰が………!」


「それは、わからないわ。でも、人がしたとは限らない。あの植木鉢が落ちてきた時に禍々しい霊気を感じたわ。これは、私の推測でしかないけど、呪法が用いられた恐れがある」


「呪法って、わら人形を釘で打ちつけるとか?」


優奈は打ち付ける真似をしながら、体を震わす。


「まあ、1番有名なのはそれだけど、他にもいろいろとあるからね」


「ぎゃーっ! 何か、怖い」


優奈はいきなり立ち上がり部屋の中をうろうろする。


「でも………、誰を呪ったかなんだよね」


「そんなの、植木鉢が直撃した本人でしょうが! ………ちょっと、待って。それってまさか………」