「大也? どうなってるの? 大丈夫なの?」



みゆきが大也の前に立ち、心配そうに見つめる。



ハッと我に返る大也。



「……ああ。もう、大丈夫だ。心配しなくてもいいから。帰ろう」


2人は歩き出す。


だが、大也の言葉を聞いてもみゆきはその表情から何かあることを感じずにはいられなかった。


言葉ではどんなに言いつくろっても大也の心の中はいつものようにはならない。


確かに、変なものは今までにも何回も見た。


だけど、今日みたいな恐ろしいものは初めてだった。


そして、それを倒すような者も………。



確信はなかった。


だけど、大也には彼女が何かをしたとしか思えなかった。






 そして、今日のことは時が経っても大也は忘れることはなかった。



それは、新たな出会いと想像を超えた出来事への幕開けとなる。