大きな爆発のような物音が聞こえたと同時に校舎中が揺れるような衝撃にとらわれる。
みんな一瞬のことで机にしがみついたり、座り込んだりする。
「な、なに?」
きょろきょろとするみゆき、その前にいた深青はすぐさま廊下へと走っていく。
小さい爆発音は間を空けてまだ続いている。
その音を頼りに、深青は廊下の窓から身を乗り出すようにして見る。
下の階には職員室ということもあり、大変な騒動になっているようだ。
事態が飲み込めず、動揺している教師たちが煙が上がっている教室へと足早に走っていくのが見える。
中には、消火器を持つ教師たちもいた。
ジリジリジリ―――!
何分経ったのだろう。
少ししてから火災警報器が鳴り響く。
だが、入学したばかりで避難訓練もしていない1年生はわからずおどおどする。
だけど、たとえ避難訓練を受けていたとしても、他の学年の生徒たちも同じで逃げようとする生徒たちで階段はすぐにいっぱいになった。
爆発が起こったのは深青たちがいた校舎の向かいの1階にある第1化学室だった。
今も煙がもくもくと上がっている。
深青は逃げようともせずにじっとその教室を見つめる。
「何かある?」
いつの間にか隣にいた優奈が深青に聞く。
「わからないけど、微かな霊圧ある。もしかしたら、ただの事故とかじゃないかも………。」
「え?」
優奈は深青の言葉に表情を曇らせ、第1化学室を見た。


