「まだ、一条って子来ないの?」


久々に学校に来た優奈は開口1番にみゆきに問う。




結局、あれこれと思い悩んでいたせいもあって休むことに集中できなかったせいか優奈の熱はなかなか下がらなくて丸1週間休むことになってしまった。


性格上、初日同様に無理をおして学校へ行こうとしたのだが、それは優奈以上の力を持つ母と深青に止められ、断念せざるをえなかった。




深青は正しく静止とだが、優奈母は暴力だったのが…………。


なんとも優奈にとっては、1番効果があった。







「う………うん」


いきなりクラスに現れた優奈にみゆきは驚きを隠せない。


勢いに圧されて、返答することしかできなかった。


めずらしく、みゆきのほうが優奈に押される。


でも、それを見ていた深青はいつもの優奈が帰ってきた、と目を細めていた。


深青のほうとしてはみゆきに押されていた優奈のほうが信じられない光景だったのだから。




あの、大也と喧嘩をした日からみゆきは大也とは別に登校し、学校では会話を交わすこともなかった。


だから、自然と深青とも会うこともなく深青としては1週間だけだが懐かしく思った。


さすがに、大也も悪く思っているのか隣のクラスを覗くのだが、実行には移せていない。


周りからは、付き合ってると思っていた人が多くて「別れたのでは」と言う噂が立っていた。


本人同士も今はそれどころではないため否定も何もしないため、ますます噂は信憑性を帯び、たちまち広まってしまったのだ。