言うまでもなく、2人の女の子は深青と優奈だった。


男の子に背中から抱きついた形で笑顔でピースサインを作っている深青。


男の子ははずかしそうにまっすぐにカメラを見ている。


優奈はその横でムスッとした顔をして2人を見ていた。


優奈は写真をさすりながら、さびしそうに笑う。


「この頃が1番、幸せだったのかもしれないな。深青にとっては………」


優奈は写真に写っている自分の顔をピシッと弾く。


2人の仲のよさに子供心にやきもちを妬いていた。


小さい頃からの友達をいきなり現れた男に取られた。


それがとてもくやしくて男の子に何度もいたずらした。


いたずらのし甲斐のない子ですぐに泣く泣き虫な子だった。


それが、また優奈には許せなくて、余計にいじめた。


「幼いながらに、私は認めたかったんだよね。きっと。深青が好きな男なんだから、もっとしっかりしろ、って。私って、小さい頃から………」


昔を思い出しながら自己嫌悪に陥る。


(でも、本当にこの頃が1番、よかったのかもしれない)


優奈は目を閉じる。