永遠の約束(深青編-序章-)











「あれ? お姉ちゃん、帰ってたの?」


唯香がリビングから顔を覗かせる。


「うん。少し前にね」


「そうなんだ。………どうしたの? 何かあった?」


「え? 別に。どうして?」


するどい唯香の指摘に一瞬どきっとする。


「なんか、さっき、暗そうな顔してたし、それにお姉ちゃん、何かあるとすぐにお父さんに語るクセがあるもん」


初めて聞く自分のクセにぎょっとする。


「私、いつも何かあるとお父さんに語ってる?」


「うん。だいたいね。つい最近だと高校の試験のときに帰ってきて『駄目かもしれない』って語ってたよ」


「うそ……」


深青は両手で自分の顔を覆う。


「本当。お姉ちゃん、自分で気づいてなかったの?………まあ、無意識にしちゃうか。自分で気づいてたらそんなに人がいるところで話さないよね」


「う………」


唯香に返す言葉もなく深青は黙る。


「ついでに言うとお母さんも知ってるよ。このこと」


深青はどんどん自分の顔が紅く火照ってくるのを感じる。


(はずかしい~。じゃあ、今まであった時も黙って見てたのね)


「お姉ちゃん、お父さんに言う前に私たちにも相談とかしてよね。まあ、頼りないかもしれないけど………。お父さんは、言っても返ってこないけど、私たちだったら一緒に考えることぐらいできるからさ」


「唯香………」


深青は妹の言葉に胸がじ~んとしてくる。


妹の言葉がとてもありがたかった。