父が亡くなり、深青たちは逃げるように如月神社をあとにした。
後の宮司にあとを頼み、その後、父の親友であった優奈の父を頼りこの土地へと移りすんだ。
父の親友であった優奈の父はもちろん、優奈たち家族も深青たちの事情はよくわかっていた。
それもあって優奈たちはいろいろと力を貸してくれた。
優奈が深青の力のことを知っていたのもそういうことからだ。
深青の力のことを知る人物は数少ない。
家族と優奈の家族、それと昔同じような力を持ったことで預けられていた子たちだけだ。
「大丈夫だから、お父さん。私、ちゃんと生きるから。お父さんが守ってくれた命だもん。絶対に無駄になんてしない」
深青は父の遺影を見、しっかりとした口調で話す。


