「もう、いいかげんにしなさい!」


ついに、優奈がキレた。


「そういうけんかは家に帰ってしてよ。周りもたくさんいるし、みんな見てるよ!」


優奈の言葉に我に返ったのか、2人は周囲を見回して顔を下に向ける。


周囲は終わったのを確認するとおもしろいことがなくなったようにサアーと散っていった。


「悪い、夏川」


「私も。ごめんね」


2人は止めてくれた優奈に謝る。


「2人して謝らないでよ。そういうつもりで言ったんじゃないんだから。ただ、周りにたくさん人がいるわよっていう注意なんだから」


いきなり2人が謝るので優奈はあせる。


「それはそうと、もう帰ろう。遅くなっちゃったから。今は日が長いけど暗くなっちゃう」


優奈の言葉にみゆきはあわてて時計を見る。


「本当。もうこんな時間? 私たちは徒歩だけど2人は電車よね。早く帰らなくちゃ」


その言葉に促されるように4人は急いで靴を履き替えて昇降口を後にした。