「あれ?」
委員会を終えた深青は昇降口へと向かい、そこで待っているはずの優奈の隣に2つの影が見えるのを確認した。
「あっ、深青」
深青の姿を見つけて優奈は手を大きく振る。
深青が近づくとその2つの影の人物がこちらを見る。
1人は大也でもう1人はその幼なじみのみゆきであった。
「どうしたの? 3人そろって」
深青は3人に近づきながら微かな違和感を感じる。
(なんだろ。一瞬、何かが頭をよぎったんだけど………)
「実は、篠田さんも2組のクラス委員だったのよ。それでね、深青を待つのに付き合ってくれたんだ。」
微かな深青の違和感は優奈の言葉で打ち消された。
「え? そうなの? 偶然だね」
「本当にびっくりしちゃった。あたしも自分自身選ばれたことに驚いたし、何より夏川さんが選ばれるのはわかるけど、大也が選ばれたのがどうしてなのかさっぱりわかんない」
みゆきは大也の顔を見ながらおどけた調子で話す。
「悪かったな。まあ、俺もなんで選ばれたのかわかんないけどな」
大也の言葉に深青はくすくすと笑う。
「なんだよ。何がおかしいんだよ」
「いや、理由わかんないのかな? と思って」
言われた大也だけじゃなく優奈も首を傾げる。
「どういうこと? 深青」
2人とも真剣な顔で深青を見る。
その姿が深青にはますますおかしかった。
「たぶんだけど、入学式の後、教室に入ったときに目立ってたからだと思うよ」
「…………………」
「…………………」


