「ちょっと! 勝手になんか話が終わっていい方向に行こうとしてるんですけど………。私の存在忘れてない?」


優奈が2人の間にニュッと割り込む。


(忘れてた………)


深青は思ったことが顔にでないように一生懸命顔を振りながら否定する。


「忘れてない忘れてないよ」


「うそ。忘れてたでしょ。ま、いいわ。それにしても、あんたも先にそういうことは言いなさいよね。でないと変な誤解招くところだったわよ」


優奈はずいっと彼に近づく。


優奈に圧倒されたのか彼が後ずさった。


「誤解?」


「そ! あんた入学早々、私たちに変態のレッテル貼られるところだったんだから!」


「それは、嫌だな」


「でしょ! まあ、誤解も解けたことだし、あんたは私たちの友達ってことで! なんか、話してると表情とか私の好きなタイプみたい」


優奈のいきなりの大胆発言にクラスメートたちがざわつき始めた。


もちろん、当の彼もだが………。


「あ……。違う違う、そういう好きじゃなくて友達としての好き」


彼の顔が少し赤くなるのを見て優奈が完全否定に入る。


「ああ…………」


照れ隠しなんだろうか彼はぽりぽりと頭をかく。


「まあ、友達としてよろしくね。私は夏川優奈(なつかわゆうな)。で、この子が如月深青(きさらぎみお)」


深青はぺこっと頭を下げる。


「俺は正木大也。よろしく」


3人の挨拶をかわきりに他のクラスメートたちもお互いに挨拶をしていく。


ちょっとした騒ぎを起こしたがそれがクラスには友達作りをするきっかけになったようだ。