318。
大也は手にした紙を見る。
この番号があるかどうか。
何度となく見て頭にも記憶してあるこの番号をもう一度見る。
「大変お待たせしました。これより、合格者の発表をします。各自、番号のある方は制服のサイズを測りますので昇降口前の業者に依頼をしてから帰ってください」
眼鏡をかけたいかにも教師という男がただ自分の言うべきことのみを告げその場を立ち去る。
その後を少し若いスーツ姿の男たちが紙を持ち、掲示板に貼り付ける。
静寂は一瞬にして歓喜と泣き声に変わっていた。
大也はその間に一心に掲示板を見、番号を探す。
(318……318………あった!)
連なるように並んである番号。
その中に、確かに318という番号はあった。
「大也! 番号あるじゃん! やったね」
背中をポンとたたかれ、振り返る大也。
「ああ。みゆき、お前は?」
「誰に聞いてんのよ。もちろん、合格に決まってるでしょ!」
えっへん!と背中をそらすみゆき。
そうだよなあ、と苦笑いの大也。
2人は顔を見合わせ一緒に制服のサイズを測るために昇降口へと歩いていった。
その時にも、やっぱり受かっている人間がいるということは落ちている人間もいて、明らかに暗い表情の子を見ると大也は、無邪気に喜ぶことはできなかった。