永遠の約束(深青編-序章-)






ダン!




深青は湯川の目の前に神光弓を突き刺す。


「ひぃぃぃぃ!」


目の前に突き刺された湯川はこれまでにないほどの恐れ震えた目で深青を見る。


「消えなさい。私たちの前から。あなたのような人間が教師でいる資格なんてない。すぐに学校を辞めて自分で考え直しなさい。自分のしたことについて」


もはや、湯川は恐怖から声もだせず、コクコクと頷いた。


尻餅をついた状態で後ずさった後、あたふたとこけながら走り去った。


「かっこわるぅ~。身の程知らずの成りの果てってところ?」


飛ばされた香織に付き添っていた優奈がいつの間にか隣にいて、大也たちはびくっと驚いた。




優奈は冷めた目で湯川が去っていった後を見る。


その隣で大也とみゆきが同じように頷いた。


「あんたも、力を持ってるからって間違えたほうに進んじゃだめよ。………深青に一撃で倒されちゃうから」


「進まねぇよ!」


優奈に肩をポンとたたかれた、大也は間髪いれずに言い返す。




こんな風に言えるのも全て終わったからだ。


3人はお互いに顔を会わせ、にっこりと笑う。




だけど、傍にいた深青は離れた場所で蹲る香織の傍へと歩き出した。


「ちょっと、深青?」


1人喜びの輪に入らず、加害者であった一条香織のもとへと歩きだした深青に気づき、優奈は声をかける。




1人にしておいたほうがいいと、あえて思い、優奈は香織を1人にしておいた。


そのこともあり、優奈は深青に声をかけるが、深青が立ち止まる気配は全くなかった。