「深青――――――!」


いきなりの大声に大也はハッと我に返る。




そして、目の前の深青がキョトンとした顔で自分を見ているのに気づき思わず自分の口を押さえる。


自分でも顔が赤くなってきているのがわかる。


(俺、今何言おうとした? 別に男か女かなんて関係ないのに………。なんか、よくわからないけど無性にむかついてきて………。なんで、俺むかついてんだ?)


「ああああぁぁぁぁぁ!」


混乱する頭と自分の言動を思い出し大也は頭を抱え、蹲る。


「え? 何? どうしたの?」


今までのことを全く知らない優奈はいきなりの大也の行動に不審な目を向ける。


「さぁ?」


深青も意味がわからず、ただ首を傾げるのみ。


「まあ、正木のことはほっといてさ。あの子、来たよ」


「あの子~?」


一体誰のことぉ~?というように深青は首だけではなく体まで傾ける。


「何寝ぼけたこと言ってんのよ! ずっと休んでていきなり来たって言ったら1人しかいないでしょ!」