「・・・さき・・・さき！みさき！！」
「げっごほっごほっ！何？」
なんだかぼーっとしてた。
「聞いてる？美咲！」
「え？あっ、何？」
「何春野くんに見惚れてんのよ！」
え！
私ったら最近無意識に意識しちゃってる。
「もう！美咲ったらわかりやす過ぎ！」
「ちょ！萌！そんなんじゃないってば！」
図星です…
春野に恋しちゃいました。
「私、美咲のこと応援するから！」
「だからそんなんじゃないってば」
萌ったら全然信じてくれない。
確かに春野のこと好きだけどさぁ。


5時間目は美術かぁ。
正直美術はあんまり得意じゃないんだよね。
萌はなぜかにこにこ。
「萌どうしたの～？」
「いや、美術の席が春野くんと隣で♪」
え？
何？？
だからにこにこしてるの？
私のこと応援してくれるんじゃないの？
「萌春野のこと好きなの？」

「うん」
え？
えぇ？
「美咲も春野くんのこと好きだと思ってた」
好きだよ？
私春野のこと大好きだよ？
「でも、今日わかった！美咲は春野くんのこと好きじゃないんだね！」
好き！
私は好きだよ？
萌より前から好きだよ？

でも…
言えない。

そんなこと萌に言えるわけない。

「萌、私萌のこと応援するね」
応援なんかできるわけない。
だって私も好きだよ？
同じ人を好きでいいのかな。