すべてはじめて

『今は伊藤先生と一緒にいる』


「・・・・」


『秋葉君？』


「わかった。じゃまた明日な・・・・」


『あ・・・・うん。また明日』


桜井の返事を聞いてすぐに電話を切った。


「龍・・・・なんであんなこと聞いたんだよ。あんな・・・・桜井を試すようなこと」


「・・・・・わからない」


「わからないって・・・・・おいっ龍！」


圭一の言葉を無視して・・・・・というより頭に入ってこないままひとりで歩き出す。


歩いて向かうのはどこでもない自分の家だ。